轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
「さもなければ、『プラウダ』一枚で、ああ完全に支配しきれるものではない」
「おかしなかた!」
そのとき、二人が話していたチャーリング・クロスのカフェー・ライオンのテーブルの前で伸子はほんとにおこった顔と声になった。
「あなたのおっしゃることは、あんまり根拠がないわ。誰が、ソヴェト同盟を『プラウダ』一枚で動かしているでしょう。あすこの人たちには、自分たちで新しい暮しかたをやってゆく方法がわかったのよ。あなたが、その事実を見ようとしないなんて――」
うそだわ、と言おうとしてちょっとためらった伸子を、利根亮輔は黒い怜悧さで輝いている眼で見つめながら、うながした。
「それで?――見ようとしないなんて?――」
いくらか礼儀にかなう表現にかえて伸子は、
「知的怯懦だと思うんです」
と云った。
「――なるほど……」
やがて、利根亮輔は、さも面白そうに笑った。
「ハハハハ。伸子さんは実に愉快な精神の原形をもっていられる。知的怯懦ねえ。――しかしね、伸子さん、あなたレオナルド・ダ・ヴィンチに懐疑がなかったと思えますか? 叡智はいつも懐疑から出発するんです」
伸子は、
「もうおやめにしましょうよ」