轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

七

多計代の気分がわるくなって、どうしても出発できなくなったのだった。

泰造は、病弱な妻をつれて旅をしているためにおこるそういう不便にはなれて来ていても、多計代が云った何かのことで、ひどく傷つけられているらしく、

「伸子、おっかさんを見てやってくれ」

びっくりして出迎えた娘たちにそう云ったなり、やっと客室の長椅子にたどりついた多計代の方は見ないで、外出してしまった。

体のなかに苦しいところがあって、しゃんとかけていにくいらしく、多計代は肩をおとして、片手を長椅子のクッションの上につきながら、もう一方の手で、ものうそうに帯あげをゆるめた。

伸子は、できるだけいそいで、その帯あげをとき、袋帯をほどき、その下の伊達巻や紐類をゆるめた。おはしょりがゆるんで派手な訪問着の前褄がカーペットの上にずりおちた。

つや子がいれて来た熱い緑茶を、ゆっくりひとくちずつのみながら、多計代は、

「お前がたのお父様ってかたは、いったいどこまで見栄坊なんだろう」

苦しさはそこにあるという風に、多計代は息をきらしながら云った。

「わたしの健康より、浅井さん夫婦に気がねをする方が先なんだから、あきれたもんだ。