轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
やがて五ヵ月をよその国々に暮して、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)を出て来たときよりも、もっと深く、もっと現実的にソヴェト同盟の生活を理解し愛すようになって来ている伸子として、ソヴェトのわるくちを冗談のたねにして笑いながら、ポケット・ウィスキーをのむような旅行者一行と、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰ってゆくことは、堪えにくいことだった。多計代に誘われても、伸子は、それをことわっただろう。伸子はひとりでモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰りたい、ひとりで。愛するモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ心と体をなげかけるように。――伸子としての気持はそうなのだったが、多計代が、その問題では伸子を避けていることに、自然でないものが感じられているのだった。
伸子はやがてディヴァンの上へおきなおり、のばした脚の上にスーツ・ケースをのせて、その上でモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の素子への手紙をかきはじめた。
「この前書いてから、たった六日しかたっていないのに、ここでどんなことが起ったか、あなたに想像できるかしら」