轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

「わたしたちは、一つ室がほしいんです、七四番のような室でもいいし、七〇番のように小さい室でもいいんです」

葡萄色のルバーシカの男は、新しい注意でデスクの向う側に立っている伸子を見あげた。伸子が、これまでもこのホテルに泊っていたことのある者だという意味が通じた。

「部屋はいついるんですか」

「早いほど結構です」

伸子は、事情を説明した。

「とにかく、きょうは満員です。あした来て見て下さい」

「何時ごろ来ましょうか」

「いまごろでいいです」

伸子は、まっすぐアストージェンカの下宿へ帰って来た。ベルにこたえて入口のドアをあけたのはルケアーノフの細君だった。伸子を見て、ほほえんだ細君のまじめな碧い瞳にかすかな不安がある。伸子たちが果してどこかに部屋を見つけられるだろうか――期限に部屋をあけられるだろうか。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の住宅難は決して緩和されていないのだった。

素子も、やっぱり落付けずにいて部屋へ入って来た。伸子を見ると、すぐ、

「どうだった」

ときいた。

「いっぱい!」

「いっぱい?――あすこで、そんなことがあるのかな」

だまって外套をぬいでいる伸子に、