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どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

スターリンの論文はそのような「成功」のかげに行われているいろいろな無理なやりかたについて、おそろしく率直に実例をあげて自己批判をもとめたものだった。コルホーズの成功は一部の指導者たちの間に「一挙にして社会主義の完全な勝利に駆けつけることができるのだから」「吾々はどんなことでもできる」という気分を生じさせた。トルケスタン地方では、農民を武力で脅し、コルホーズに加入したがらない者の耕地には灌水してやらないとか、工業製品を供給してやらないとか脅した指導員があった。伸子は、噂が事実あったことだったのを知った。スターリンの論文は、トルケスタン地方とウクライナ地方とそれぞれちがった条件の見境いもつかないで、「役人風な法令による命令主義、下らない脅迫」紙の上だけの決議や「存在してもいないコルホーズについて自慢たらたらの決議」など巧名をあせる指導員の「政策」を、チェホフの諷刺的な小説の主人公、下士官ブリシベエフ的な「政策」として、批判した。批判の鋤は力づよくごみの山をすきかえしていて、伸子はそこに、おかしな虫けらや、臭い汚物が掘りかえされ、日光にさらされたのを見た。