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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
コルホーズ組織の「『容易な』、そして『思いがけない成功』という雰囲気においてのみ発生することのできた」「だらしのない愚劣な気分、即ち『吾々はどんなことでもできる!』」という気分は、「成功で有頂天となって、明確な理智と冷静な見解をしばしば失ってしまった結果としてのみあらわれた」という点を、論文はその冷静な分析のために一層ぬけ道のない印象で追究していたのだった。
伸子が空色ヤカンを下げて通りがかるパッサージの従業員室の壁新聞の上でも、このスターリンの論文は、ずいぶん古びるまで皆からくりかえしよまれていた。論文は、人々の生活感情につよい信頼をよびさましたのだった。なぜなら、コルホーズ化のやりかたにあらわれれて、口から口へつたえられていた無理は、一月の、階級としての富農絶滅のための論文以来、漠然と予感されていたものだった。形のかわった何かの無理、或は馴れない新方式は、たとえばパッサージの経営に人民食糧委員会が新しく人を派遣してよこすような細部にもあらわれて、市民の気持には、何か日々に晴れやらぬ圧迫感めいたものがたまっていた。
「自分自身を飛び越えようとする笑止千万な企図」