轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
面白そうに秋山が小さい眼を輝かしてすぐ訊いた。
「おひげさんて?」
「ああ、あのアルメニア美人は上唇のわきに髭があるんです」
そう云えば、赤い円い上唇の上に和毛のかげがあった。ВОКСの美人については、秋山宇一がこまかい点まで見きわめているのが可笑しかった。
「会いました……いきいきした人ね」
「なかなか大したものでしょう」
内海厚が、生真面目な表情に一種のニュアンスを浮べて、
「秋山さんは、コーカサス美人がすっかり気に入りましてね、日本の女によく似ているって、とてもよろこばれたですよ」
と云った。室の入口にぬいでかけた外套のポケットから、ロシアタバコの大型の箱を出して、テーブルのところへ来た素子が、瀬川に、
「いろいろお世話さまでした」
律義にお辞儀をした。
「しかし、なんですね、あの美人も美人だがカーメネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)という女も相当なもんだ」
「…………」
秋山はだまって目をしばたたいた。瀬川も黙っている。瀬川としては、素子がそれをおこっているように、夫人が、あれほどのおくりものに対してろくな礼も云わなかったということを認めにくい感情があるらしかった。