轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
しばらくだまっていた素子は、苦しそうな反感をふくんだ表情で、
「わたしはここのものの考えかたの、こういうところは嫌いだ」
と云った。
「何でも、ああか、こうかにわける。分けて比べて、一方には価値があって、一方は価値がない。そうきめちまうようなところが気にくわない」
素子は、抑えていた感情にあおられたようにつづけた。
「ゴーリキイにしろ一人の人間じゃないか。一人の人間である作家が書いたものに、ぴょこんと、一つだけ革命的ロマンティシズムがあって、ほかはそうでないなんてあり得ないじゃないか……どっかで、きっとつながっているんだ。そのつながったどっかこそ人間と文学の問題じゃないか、ねえ。社会主義ってものにしろ、そういうところに急所があるんだろうとわたしは思いますがね」
おしまいを素子は皮肉に結んだ。素子がこれだけ集注した感情で、話すのはめずらしいことだった。
伸子は、素子のいおうとするところを理解した。けれども、語学のできない伸子は、素子とちがってすべてがそうであるとおり目で見て来たゴーリキイ展からあんまり自分に照らし合わせて考えさせられる点をどっさりうけとって来ていた。