轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

いまその街すじには、二人五人と遠ざかってゆくまばらな人影があるばかりだった。伸子は、見とおしのきくその路面の明るい空虚さから鋭い悲しみを感じた。あの行進の人々はどこへ行ってしまったのだろう。そして、あの揺れていた赤旗は?――ほんの数節うたわれてすぐとだえたインターナショナル。とだえた歌声も群集の頭の波の上にゆらいでいた赤旗のかげも、伸子にすればまだその空の下に残っていそうに思えるのに、その街すじにあるものとては遠くまでつづくからっぽさである。伸子は思わず深く息を吸いこみ、自分の鼻翼のふるえを感じた。これがワルシャワのメーデーだった。ちらりと見えたと思ったらもう散らされてしまったワルシャワのメーデー。行進して来た人々は何百人ぐらい居たのだろうか。伸子にその見当がつかなかったが、あのようにして赤旗の下にかたまって進んで来た人々が、こんなにす早くカーキ色連中と同じように一人のこさず広場のまわりから姿を消したのは異様だった。伸子にはそれが、むごいしわざにならされた人のすばしこさのように思えた。彼らは、おそらく赤旗をかくして迅く走らなければならなかったのだ。