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「やまとみんぞく」とはなんぞや
先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
喜田 貞吉
喜田貞吉『先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「日本民族」とは何ぞや、「ケット」と「マット」、奥羽地方のシシ踊りと鹿供養、火葬と大蔵、くぐつ名義考、国栖の名義、国号の由来、時勢と道徳観念、周防石城山神籠石探検記、炭焼長者譚、長吏名称考、憑き物系統に関する民族的研究、手長と足長、道鏡皇胤論について、間人考、人身御供と人柱、法隆寺再建非再建論の回顧、本州における蝦夷の末路、オシラ神に関する二三の臆説、サンカ者名義考。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,063 字 · 389 页
五 近世まで保存せられた本州の蝦夷
しかしながらアイヌが消えると申しましても、アイヌ人そのものが滅亡し、世の中から失われてしまうのではありません。次第に日本民族の仲間になってしまって、もはやアイヌとしての民族的存在が無くなってしまうのであります。そしてその事は、移して以て東北地方の蝦夷の末路がどうなったか、さらに東北地方以外、歴史にも、伝説にも、何ら伝うるところがなく、ただ石器時代の遺物によってのみ、その過去の存在が知られるに過ぎない地方の同じ系統の民族が、どうなってしまったかを推測せしめる材料となるのであります。
五 近世まで保存せられた本州の蝦夷
しかるに普通に歴史の説いているところでは、蝦夷人の存在は殆ど奥羽地方にのみ限られ、時代も平安朝頃まで、それも主として田村麻呂や綿麻呂の征伐が最後になっているのであります。私ども四国の様な遠方に生れ、上方で教育を受けましたものは、蝦夷と云えば千年も前の過去の存在で、その後全く本州では蹟を絶ってしまい、今日の北海道のアイヌとは、殆ど関係の無いものの如く、ただ漠然と考えていたのでありました。後に少しく詳しく歴史を研究する様になりまして、鎌倉時代の末に津軽で蝦夷の乱が起り、鎌倉幕府の兵も容易にこれを鎮定することが出来なかったという事実の存在を知りました時には、殆ど意外の感に打たれたのでありました。