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「やまとみんぞく」とはなんぞや
先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
喜田 貞吉
喜田貞吉『先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「日本民族」とは何ぞや、「ケット」と「マット」、奥羽地方のシシ踊りと鹿供養、火葬と大蔵、くぐつ名義考、国栖の名義、国号の由来、時勢と道徳観念、周防石城山神籠石探検記、炭焼長者譚、長吏名称考、憑き物系統に関する民族的研究、手長と足長、道鏡皇胤論について、間人考、人身御供と人柱、法隆寺再建非再建論の回顧、本州における蝦夷の末路、オシラ神に関する二三の臆説、サンカ者名義考。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,063 字 · 389 页
けだし語部がこれを語り伝うる際においては、他にもその例を見る如く、殆どその原意を忘れて、ただ古来語り来ったままにこれを後に伝えたのであったかもしれぬが、本来の意義は決して蟾蜍の事であったとは思われぬのである。
また同じ語部の語り言の中に、久延毘古が少彦名命の事を知っているとの事を、述べたという多邇具久も、従来谷蟆すなわち蟾蜍と解せられているが、それも蟾蜍と解してはいかにも落ちつかぬ感がないでもない。久延毘古は山田の曾富騰だとあって、それを案山子の事だと解しているが、仮りにこの解を正しとして、童話的に動物や非情の物品が物言う筋の語り言として見ても、案山子の友は雨蛙などならばこそあれ、そこへ蟾蜍を引き出す事も不自然と謂わねばならぬ。ここに久延毘古とはクエすなわち蝦夷族の男子の称で、山田の曾富騰とは山田の番人であろうとの事は、既に論じておいた。(少彦名命の研究五巻一号一六頁以下)それをソホトというは赭人で、なお色黒き民族を、クロンボすなわち黒人と云うと同じ振合いのものであろう。彼らは一方に山田を守って猪鹿の害を防いだが故に案山子をソホトと云い、一方に田に水を注ぐの事に役した故に、水車をソホズと云う事にもなったので、本来の曾富騰は案山子でも、水車でもなかったに相違ない。