轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
「日光」1948(昭和23)年9月~1949(昭和24)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 页
「諸大名の家中は、どうも調べにくいが、少なくみても、参覲交代制で、常時に、二十万人以上は、江戸にいることはたしかだ。それがみんな、妻子は国元だから――それらを計算すると、ざっと、江戸の男と女は、男三倍、女三分の一ぐらいになる」
「ふうむ。しかも、少ない女の目ぼしいところは、大奥やら大名やら金持にもたれて……」
「あははは。朝から変な話になったな」
「だが、お奉行は、そんなことを調べさせて、何をなさろうというおつもりだろう」
「でたらめな市民の風紀を、何とかなさりたいものと、先頃から、御思案して、おられるようだ」
「何ともなるまい。こればかりは」
「うム。いまもいったような、男女の数の均衡が、まったく偏しているのだから、その矛盾の上ではな。……けれど、犯罪の湧くゴミ溜は、ここにあると仰っしゃって、梅毒の流行やら、いろいろな不幸の禍因を、捨ててはおけぬと、考えておられるようだ」
「だが、むずかしかろう」
「うム、これも、至難なお望みだ。――どうも、わがお奉行は、至難なことのみ探しては、御苦労しておられるかたちだ。苦労性というものだろうか」
まだ、早暁なので、役宅の机にも、たれも出仕していない。