轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
「大阪朝日新聞」1924(大正13)年3月~5月<br>「女性」1924(大正13)年11月~1925(大正14)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 179,399 字 · 353 页
これは私には意外でした。蚊帳は二人に提供して、私とナオミとは蚊やり線香でも焚きながら、アトリエのソオファで夜を明かしても済むことだと考えていたので、四人が一つ部屋の中へごろごろかたまって寝ようなどとは、思い設けてもいませんでした。が、ナオミがその気になっているし、二人に対してイヤな顔をするでもないし、………と、例の通り私がぐずぐずしているうちに、彼女はさっさと極めてしまって、
「さあ、布団を敷くから三人とも手伝って頂戴」
と、先に立って号令しながら、屋根裏の四畳半へ上って行きました。
布団の順序はどう云う風にするのかと思うと、何分蚊帳が小さいので、四人が一列に枕を並べる訳には行かない。それで三人が並行になり、一人がそれと直角になる。
「ね、こうしたらいいじゃないの。男の人が三人そこへお並びなさいよ、あたし此方へ独りで寝るわ」
と、ナオミが云います。
「やあ、えれえ事になっちゃったな」
蚊帳が吊れると、熊谷は中を透かして見ながらそう云いました。
「これじゃあどうしても豚小屋だぜ、みんなごちゃごちゃになっちまうぜ」
「ごちゃごちゃだっていいじゃないか、贅沢なことを云うもんじゃないわ」