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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页

青空文庫

シップの聚落からはじめて出て来た連れのものは声を立てておどろいた。即ち彼らが、あの痩せた土の上でどうしようこうしようと踏ン切りわるくうっ屈していた若干の日に、こちら側――イシカリ川のこちらでは、ひろい原野が息づく間なく伐りひらかれていたのであった。官のひきいた移民が目に見えて殖えているのだ。開拓使はその募集に応じた移住農夫に、家屋、農具及び三カ年間の食料をあたえた。なおその上、開墾一段歩につき金二両の労賃を支払った。自費による移住の農夫には、家屋、農具は勿論、一段歩につき金十両の莫大な開墾料をあたえたのだ。これは、しかもその土地が自分の所有になるとすれば、プレミアム付きの移民招致であった。出稼ぎとしてもなかなか割だかなものであった。この扶助規則を適用された移民が、前の年に百十八戸の三百九十九人、そしてこの年二月から五月までに、二百四十五戸の七百九十余人。それが、サッポロ近傍の原野に散らばっていたのだ。会津降伏人の百六十九戸六百二十六人は、この年兵部省からこの開拓使にひきつがれ、これはオダルナイ南方の原野に移募農民として土地をあたえられた。

こちらには、交替した新しい勢力のさかんな活動があったのだ。