轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
四
なことで、その場合はこの地つづきに奥行をのばして行く所存」
「それにしてもこれでは狭すぎるでしょう」と役人は顔をあげた。頬を赤くして云った、「雄大に、野放図に、百年の計に齟齬を来さないよう充分に土地を取って貰いたい、このサッポロをごらん下されたか? 初代の判官島団右衛門どのの計画によれば、――」
使丁があらわれて彼の勢いづいた言葉をさえぎった。判官が見えられて、呼んでいると云うのである。卓上の書類をわし掴みにして彼は立ちあがり、「暫らく」と云った。阿賀妻はうなずいてその後姿を見送り、急に空腹を覚えた。彼は使丁に云った。
「弁当を使わして貰いたいのじゃが」
「おや、おや、まだでしたか、どうぞ、こちらで、――」
使丁室に導かれながら彼は訊ねた。
「ただいまのご仁――お藩はどちらですかな?」
「むろん、薩摩――」
「ふーん」
阿賀妻は眉間に竪皺をよせて立ちどまった。
四
――鳥羽、伏見の戦争に動員された薩藩兵士のなかに、堀盛というその男は伍長として参加していた。卒を引きつれて守護した公卿の邸が清水谷であり、そこの食客に岡本監輔がいた。説いて云うのには、本国に於けるこういうごたごたに乗じ、ロシヤの政策は、さしずめカラフトを占拠してしまうことであろう。