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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
谷博士のものがたり
それでは、いまここから出ていった、谷博士はいったい何者でしょう」
戸山少年は、うんとおなかに力をいれて、十分念をおしたのである。
「わからないかね。君たちは、あれがX号の化けていることに気がつかなかったのかい」
サルは檻の中で、じだんだふんでくやしがっている。
「でも、先生は、目をわるくして、ぼくたちの顔をごらんになったことがなかったでしょう。それによく、ぼくたちだということが分かりましたね」
何しろ、いままで何度もだまされているので、戸山君もなかなかゆだんをしないのである。
「それはね、目は見えなくても、君たちの声はちゃんとおぼえていたし、それにX号が、君たちがこの研究所に来ていることを話してあったから、君たちがこの部屋へはいって来たときには、ちゃんとけんとうがついたんだよ」
サルは怒ったようだった。
「よく分かりました。だけど、この檻はどうしてあけたらいいのです」
「となりの部屋に、鍵がおいてあるはずだから、それをさがして来てくれたまえ」
戸山少年は、あわてて部屋をとびだして、となりの部屋をさがしたが、あいにくそこには鍵はなかった。ただそこにも大きな檻があって、中には谷博士と同じ種類のサルがぐうぐうと大きいいびきをかいて、眠っていたのである。