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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

どこからか、「戸山君」と、少年の名を呼ぶものがあった。

「おや、だれか、ほくの名まえを呼んだかね」

「だれも呼ばないよ」

「へんだね。気のせいかしら」

「戸山君、ぼくだよ。ぼくが分からないかね」

なんとなく、聞きおぼえのあるような声だった。だがどこから聞こえて来るかは分からない。

「戸山君、わかった。わかったよ。このサルが、君の名まえを呼んでるんだよ」

一人の少年がおどろいたように叫びをあげた。ほかの少年も思わず、ふりかえって、檻の中のサルを見つめた。

「そうだ。やっと気がついたかね。よく助けに来てくれたね。ぼくだよ。ぼくが分からないかね」

サルは鉄の格子にすがりついて、気が変になったようにわめきたてているのだった。

「早くここから出してくれ。そうしないと、たいへんなことがはじまるんだ。早く、早く、この檻を開けてくれ」

「あなたはいったいだれなのですか」

戸山少年は、恐るおそる、このサルにおうかがいを立てたのである。

「ぼくは谷だよ。X号のために、こんな目にあわされたんだ」

サルの答えは、五人の少年を、心から震えあがらせたのだった。

谷博士のものがたり

「あなたは、ほんとうに谷先生なんですか。