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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
「この人は、気をうしなっているんだよ」
戸山は、結論をつけて、みんなに話した。
「じゃあ、活をいれてみようか」
井上少年がいった。彼は、柔道を習っていて、活の入れかたを知っていた。
「それよりも、葡萄酒をのませた方がいいんじゃないか」
羽黒少年は救護係であったから、自分がリュックの中に持って来ている、気つけ用の葡萄酒のことをいった。
「気をうしなっているんだから、活の方がいいよ。気がついたら、こんどは葡萄酒をのませる順番になる。井上君、ちょっと活をいれてごらん。あとの者は、みんなてつだって、この人を起こすんだ」
四人の少年が、博士の上半身を起こした。すると井上がうしろへまわって、博士の脊骨をかぞえたうえで、急所をどんと突いた。
だめだった。博士は、あいかわらず、ぐったりしたままだ。
「だめかい」
と、みんなは心配そうに、井上にたずねた。
「まだ、分からない。もう四五へんくりかえしてみよう」
井上は、まだ希望をすててはいなかった。えいッ。またもう一つ活をいれた。
と、うーんと博士はうなった。そしてにわかに大きな呼吸をしはじめた。顔色が、目に見えてよくなった。