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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
突如として自動車にとりつけてある短波受信機から、あの緊急待避警報がひびいて来たのは――
署長の高い鼻も、とたんにペシャンコになってしまった。
「ストップ、ストップ、この車をはやくとめるんだ」
「はい」
運転手も、あまりあわてて、ブレーキをかけたものだから、その次に走っていたトラックは、この車にしょうとつして、乗用車の方は横たおしとなり氷室検事も署長もほうぼうをすりむいて、やっと車の中からはいだして来た。
「ばか、何をするんだ」
署長はかんかんになって、トラックの運転手を叱りつけた。
「すみません。署長さんが、あまり急げ急げといわれましたし、それにまた、この車が思いがけなくとまりましたので」
「それはそうと、全員総退却だ。何をぐずぐずしているんだ」
「ここまで来て、ひっかえすんですか」
功名心に燃えている武装警官隊は、山形警部一人だけに手柄をされてなるものか、署長が臆病風にとりつかれたら、自分たちだけでも突撃しようという意気ごみであった。
「ばか。命令だから引っかえせ。たった今、山形警部から、短波放送で連絡があった。あと十分もすれば、原子爆弾の爆発がおこって、あの研究所はこっぱみじんに吹っとぶんだ。