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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
三角岳メトロポリス
さあ、早く、あのもとのからだへ私の脳髄を移しかえてください。博士、お願いします。私は、こんな女の子のからだで、これ以上生きていられません」
娘姿の山形警部は、泣いて谷博士に訴えた。
だが、博士は首を左右に振った。
「お気のどくには思うが、すべては、X号のやったことです。わしには、そんな乱暴な手術をする勇気がありませんわい。わしに、それをせよといっても無理というものだ」
博士は尻ごみをする。
山形警部は、博士にすがりついて、いよいよ気が変になったようになって頼みこむ。それを見るに見かねて氷室検事も口ぞえをして、博士に頼んでみた。
ようやく博士は、こういった。
「それほどいわれるならば、いつしかわしの気持ちが非常によくなり、からだの調子も上々の日に、思いきって手術をしてあげよう。それまではおとなしくして待ちなさい」
これだけの口約束が、山形警部をたいへん喜ばせた。彼はもとのからだに戻る希望を持てる身になったのである。
三角岳メトロポリス
それ以来、X号の乱行は、まったく見られなくなった。
そうでもあろう、X号の本尊である電臓は、谷博士の手によって死刑囚火辻の遺骸から取りだされ、そして活動を停止され、博士の冷蔵室の中に、厳重に保存されてあるのだ。