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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
すぎない。なぜならば、フーヴァーと大資本家の計画が実現するものとすれば、このたびの恐慌によって暴力的解決をよぎなくされた原因そのもの――社会の生産力と消費力との不釣合――が、八〇億ドルの生産増進によって、ますますその不釣合を鋭くすることにしかならない。「リュマニテ」は「フォードのデマゴギー」という大きい見出しで、自動車王フォードの厚かましい声明を分析した。フォードは恐慌の進行していた十一月二十一日、いきなり、フォードの会社は、十五万人の従業員に対して賃銀を引下げるどころか、むしろ賃銀を引上げるだろう、そして自動車の価格も下げるだろうと発表した。フォード自動車会社は、労働者の初給五ドルを六ドルに、これまで働いている労働者たちの最低賃銀を六ドルから七ドルまで引上げる、と。しかし現実におこったことは次のようだった。フォードは、よりやすい新型自動車をつくるために模様がえをするという口実で、大部分の工場の作業を中止した。そして、もう必要のない職場の労働者数万をほうり出した。世界に名のひびく殺人的な合理化で四、五年間働かせられているフォードの労働者は、次の雇いてを見出すのがむずかしい。