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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
をスターリンの論文が根本から批判したことは、すべての正直なソヴェト市民に、良心のよりどころを与えた。コルホーズ組織という一つの階級的事業の進行について、この論文が、はっきり「実際的な結果」と「党そのものの内部生活にとって、党の教育にとって」重大な意味をもつ論点とを、互に一体のものとして念入りに解明している態度が、伸子にまでも、信頼とよろこびとを感じさせた。ひどい手間をかけて、二日がかりでその論文をよんでいた伸子は、最後の一節を終ったとき、太い赤鉛筆の線をひきながら、深い満足をもって、その通り! とつぶやいた。「指導の技術は、重大である」「二つの戦線に対して、即ち、落伍しているものに対しても、先っ走りしているものに対しても、たたかわなければならない」そのとおりだと伸子は思ったのだった。
いま、思いがけず「成功に眩惑するな!」とかかれたプラカートを見つけ、伸子は、それらのすべてを思いおこした。長いことその論文の上に肱をついて、これやあれやのいきさつを考えしめていた自分。これというのはその論文だった。あれというのは、その数日前に第二芸術座で観た「チュダーク」