轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

来ているのだった。その間には弟の自殺ということもあった。伸子の心には、その人たちの気持とちがう多くの要素がある。伸子がパリの生活を経験することでもし何かを学ぶことができるとすれば、それはつづまるところ、伸子が伸子として生活と心のなかにもって来ているそのみんなとちがうと自覚されている何かを追究すること以外にありようなく思えるのだった。

名刺をもらって二三日たった晩、素子が化粧台のところで、

「これ、ほったらかしといて、いいのかい?」

名刺を指にはさんで、伸子にふってみせた。紫がかった臙脂色にこまかい模様のある、やすものの部屋着をきて、寝台に腰かけている伸子は、

「――どうする?」

と、素子を見てききかえした。

「わたしは失礼しちゃおうかと思うんだけれど、わるいかしら……」

素子は、そういう伸子の顔を暫く眺めていたが、

「ぶこちゃん次第さ」

と云った。

「わたしね、反抗しているのよ、日本の人がこれまでパリとかフランスとかいうと、いやにディレッタントになっちゃって、それが通みたいになっているでしょう。わたし、それじゃちがうと思うの。曲線一つくらべてみたって、フランスは鋼の唐草だと思うわ。