轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
ここだって労働者がいるはずだのに……」
二人が先へ先へと視線を放って歩いてゆくと、歩道の右手沿いにずっとつづいた公園の低い鉄柵がぽつんと終った。その先に茶色っぽい高い建物が現れた。伸子たちの背たけより高い石の外羽目が切れたところが、城門のようなアーケードになっていた。重々しいそのアーケードの奥がちょっとした広場めいた場所だった。人がつまって乗っているトラックが数台とまっている。伸子たちは怪しんでそっちを見た。
「変だな。――こんなところが劇場広場だなんてことないだろう」
いぶかりながらそれでも二人は建物にとりかこまれて陰気なその広場めいたところへ歩みこんだ。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の赤い広場にくらべると、十分の一あるかなしのその石じきの場所の、三方を高く囲む石造建築の裾にぴったり車体をよせて、トラックが十数台とまっている。どのトラックの上にも、いちようにカーキ色のレイン・コートのような外套を着て同じ色の雨帽子めいたものをかぶった男女が、長い棒をついて立っていた。一台ごとにきまっただけの人数が積まれているらしかった。トラックの上に棒をついて立っている男女の方陣の間からは、そんな情景につきものの談笑も湧いていなければ、タバコをふかしている者さえまれだった。