轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
黒川という客の来たことが素子にとっても局面打開のきっかけだった。仕方なくきのう着た白いブラウスを着た素子と伸子とは互同士では口をきかず、しかし黒川に対してはどっちもあたりまえに応対しながら、寝室のとなりの室で朝食をすました。やがて三人でホテルを出、伸子たちは約束のある服飾店へ、黒川は次に会う日どりをきめてわかれた。黒川は、二週間近くウィーンに滞在する伸子と素子とのために、下宿をさがすことをすすめ、その仕事をひきうけた。ホテルを出て、明るい街頭を行きながら、伸子はそれとなく並んで歩いている素子のブラウスに目をやった。もういく度か洗われている素子の白絹のブラウスは、きついその純白さをおだやかな象牙色にくもらしているけれども、細いピンタックでかざられた胸のあたりにも、アイロンのきいているカラーにも、よごれらしいものは一つもなかった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)から来れば、はじめてヨーロッパの都会らしいウィーンの通りを歩きながら、伸子は素子のブラウスがみっともないようには着古されていないことに安心した。同時に、ウィーンまで来たのに、まだ駒沢のころのように、或はモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ぐらしのあるときに素子がそうであったように自分に対してこじれからまる素子の感情が伸子に苦しかった