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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
川瀬がそう説明した「戦旗」には、評論家篠原蔵人や詩人の織原亮輔、森久雄などの論文のほかに、在ベルリン鈴村信二という名でドイツ労働者演劇に関する覚え書という記事もあり、ピスカトールの演劇論と大戦後の有名な反戦諷刺小説「勇敢な兵士シュウェイクの冒険」の舞台が紹介されていた。一冊の、ソヴェト革命記念号には、小林多喜二というひとの「一九二八年三月十五日」という小説がのっていた。「前哨戦」という同人語の欄で篠原蔵人が、その小説について書いていた。「成程そこには非常に多くの芸術的欠陥がみられる。だが、作者が我々に最も近い、最もヴィヴィッドな問題を小さなエピソードとしてではなく、大きな時代的スケールの中に描き出そうとした努力のなかには、プロレタリア文学の今後の発展に対する一つの重要な暗示が含まれている」と。
伸子は「戦旗」をかりて来た日から、折にふれてはその二冊をかわりばんこにくりひろげて、読んで見るのだった。そこにのっている小説は、どれも戦争反対の主題や権力の横暴をばくろした作品だった。プロレタリア作家とよばれている人々がそういう主題を選んで書くことや調子に激しさのあることは、伸子にもその必然がよくわかった。