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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
そこでコロンブスが捕縛送還されて帰国してから第四回の航海に出発するまでの間に、アメリゴの有名な第三回航海が行われたのである。
アメリゴ・ヴェスプッチは一五〇一年五月リスボン発、南アメリカの東岸を南緯五度より二十五度まで行った。更にその指導の下に五十度或は五十二度まで行ったと云われるが、これは確実でない。一五〇二年九月帰着するや、彼はこの探検の科学的指導者として報告書を書いた。これが非常なセンセーションを起したのである。彼が友人ロレンソに宛てた手紙は、一五〇三年ラテン語訳で、次でドイツ語訳で出版されたが、その初めに、彼は新大陸の発見を唱道したのである。彼がポルトガル王の命によって発見した大きい陸地は、「新しい世界」と呼ばれてよい、と彼はいう。何故なら、これまでは何人もその存在を知らず、西方の赤道の南は海のみであると考えていたからである。今やアジア、アフリカ、ヨーロッパに対立する新しい世界が見出された。これをアメリゴははっきりと把捉したのである。
コロンブスは事実上新大陸の発見者であったかも知れない。しかし彼はかかる大陸のあることを拒んで地上楽園の存在を主張したのである。