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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
やがてその腰を上げようとする前に、小型のサン・チャゴを先発させたが、この船はサンタ・クルス(50°)で難破し、乗員たちは辛うじて帰って来た。でそれらを残りの四隻に分乗させ、一五二〇年の八月末に出発、サンタ・クルスに至って船の修繕にかかり、十月十八日にいよいよ南航の途に上った。そうして海峡の入口、処女の岬についたのが、三日後の二十一日なのである。
この海峡はフィヨルド風の断崖で、長さは六百粁、東部、中部、西部などで様子が変っている。東部は狭い海峡を通ると中が開けて湖のようになり、また狭い海峡に来てその奥が開ける。岸にはあまり湾入がなく、地質は新生代で、ほぼ等高の山脊が連り、樹木はない。中部から西は花崗岩と緑岩で、山は千米以上、時には二千米を超え、岸に湾入が多くなる。西部は狭い海峡になっている。いずれも樹木は多い。
マガリャンスはこの入口で、サン・アントニオとコンセプションとを偵察に出した。一隻は湾に過ぎないと報告し、他の一隻は、狭まりの奥に広い湾があり、更に次の狭まりの奥にも広い湾があって、いずれも投錨出来ぬほど深い、恐らく海峡であろうと報じた。これは三日目のことであった。