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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
三 結城山城守の招請
ビレラの代りに京都へ出張したロレンソは、すでに山口でこういう経験を積んで来た人であるから、実地の指導は恐らく彼によったのであろう。身分の高い富んだ婦人で、その財産をこの仕事のために投げ出した人もあった。これは京都中の評判になった。
三 結城山城守の招請
その京都へビレラは一五六二年の九月にひき返したのである。
聖母マリアに捧げられた京都の会堂で、九月八日の聖母誕生の祭日に、彼は京都で最初のミサを行った。これはビレラが三年来望んでいたところであった。そのために彼は信者たちにミサの意義を説明してその熱心を湧き立たせた。ついで彼はクリスマスの準備にとりかかった。告解や断食が熱心に行われた。クリスマスには告解を行った人々が非常な歓喜を以て参加した。聖餐を受ける資格のある数人の信者は、聖餐の秘義を説き聞かされて、感動のあまり涙を流しながらこれを受けた。ミサも盛大に行われ、信者たちを恍惚たらしめた。そういう信者たちの態度には実際に素朴な誠実さがあった。ビレラはここでも、新鮮な信仰に充たされていた教会の初期を、人々が皆愛と信仰とにおいて一つになっていたあの幸福な時代を、想い起したのである。