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さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

第六章 京都におけるフロイスの活動

一 フロイスとダルメイダの上京

第六章 京都におけるフロイスの活動

一 フロイスとダルメイダの上京

ルイス・フロイスがトルレスの命令によって京都のビレラに協力するため平戸を出発したのは、一五六四年の十一月十日であった。

フロイスは日本へ来てから一年余の間に、横瀬浦の没落や、度島での日本人の信仰生活や、ポルトガル船の貿易と布教事業との微妙な関係などを経験し、日本における宣教師の仕事のおおよその見当はつけ得たのであったが、しかし日本の諸地方への旅行はまだ少しもしていなかった。そのためか、度島のフロイスの許へはダルメイダが迎いに行った。ダルメイダもフロイスと共に京都地方へ行き、その地方の事情を調査してトルレスに報告する筈になっていた。しかしトルレスがそういう計画を立てた後の僅かな時日の間にも、ダルメイダの活動はめざましいものであった。彼はまず口の津のトルレスの許から豊後に派遣された。毎年の例になっている領主饗応のためである。だから十月の半ばにはまだ豊後にいた。その彼が、高瀬まで引き返して、そこから平戸へ陸路四五十里を旅行している。この道筋は多分初めてだと思われるが、途中、博多から十一二里の所にある信者の町を訪ねたり、また海岸へ出て姪の浜とか名護屋とか信者のいる町に足を止めたりしつつ平戸へ行ったのである。