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さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

そこには神父コスタがいた。度島にはフロイスと共に神父カブラルがいた。そこで平戸に半月余り滞在した後、フロイスと共に出発したのであった。

風の都合がよく、船は翌日の夜口の津についた。トルレスとフロイスとは横瀬浦の没落の時別れたきりであったから、再会の喜びは非常なものであった。しかし口の津にもただ四日留まっただけで、フロイスとダルメイダとは旅程に上った。この時にも風の都合がよくその日の内に島原についた。この島原、ダルメイダの開拓した島原が、度島で一年を送って来たフロイスを実に喜ばせたのである。港へ突き出ている旧城址――会堂の地所が、比類なく優れた場所であったばかりでなく、更に島原の街はこれまで見た最も美しい街であったし、そこに住んでいる信者たちは殆んど皆身分の高い人たち、富める商人たちであって、一般に教養も高く、教義に対する理解能力も優れていたからである。フロイスはそれを見て、信者たちがこれまでミサを聞いたこともなく、ただ日本人のベルシヨールやダミヤンに二三カ月説教を聞いただけであるのを残念に思い、「もし自分に委せられるならば、日本での最も良い仕事に代えて、この地に留まるであろう」