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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

宣伝文化の企画に参与するのだそうだ。

一馬は時々生一本に思いこんで凄むから、私はどうも、つきあいにくい。私は然し、至ってツキアイのいい方だから、何かというとホダされて、どうもいけないタチである。京子は始め厭がったけれども、文面が凄すぎる。それよりも、女は要するにスミレ詩人で、崇高なる近親相姦、そういうところに所詮ホロリとしているのだ。じゃア思いきって行きます、と言うので、文面の示すところに従い巨勢博士を訪れた。

巨勢博士と云っても、実際は博士でもなんでもない。それどころか私や一馬に比べると十一も若年のまだ二十九という若僧なのである。

彼は十七の時、まだ中学生であったが、私のところへ文士になりたいと称して弟子入りにやってきた。僕みたいカケダシの若僧に弟子入りしたって仕様がない、大家のところへ行きなさい、と言ったら、若い者は若い者同志でさア、と変なことを言やがった。

然しまもなく彼は探偵に凝りだして、然し大学では美学というシャレたものを勉強したが、これはつまり奴が不勉強で、ほかの科へ入学不可能な宿命を自覚したからの結果なのである。

然し彼の探偵の才能は驚異的なものだった。