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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
二十四 犯人現わる?
目下、鑑識に廻してあります」
巨勢博士はうなずいた。
「遺書ぐらいは用意してあるだろうと思っていました。私はこの殺人を予期していたのです。それが自殺の形で行われることも、すでに準備ができていることを知っていました。第一回目の殺人のとき、望月王仁氏殺害のとき、歌川先生が自殺の形で殺される準備ができていたのです」
巨勢博士の決然たる断言ぶりに、カングリ警部も呆気にとられた様子であった。
「ともかく、別室へ来ていただきましょう。憎むべき殺人鬼の手口を説明いたしましょう」
巨勢博士はカングリ警部と刑事の一行をうながした。警官たちは不承不承巨勢博士について、立ち去った。
二十四 犯人現わる?
昼食のとき、巨勢博士と警官たちは食堂へ現われてこなかった。昼食が終るころにアタピン女史がやってきて、一同に足どめを命じた。食器が下げられると、南雲老人夫妻、下枝さん、ツボ平夫妻まで、関係者一同ゾロゾロとはいってきて席へつく。警官、巨勢博士の一行がそれにつづいて、官服私服十数名の人達が壁に沿うてグルリと包囲の態勢をとった。テーブル正面の設けの席についたのは巨勢博士であった。
巨勢博士はいささか沈痛な諦めたような顔付で、やがて静かに語りだした。