轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

二十六 絶体絶命の悪戦苦闘

巨勢博士は顔をゆがめた。

「私が天下のバカモノだったのです。私は、最愛のあやか夫人を私の忠告によっても多分疑ることのない一馬先生を予想してはいましたが、然し、それ以上に、犯人を買い被っていました。私は犯人が私の帰るまでこの犯行を行うことがないだろうと考えていたのです。然し、あるいは、犯人は、昨夜、八月九日、宿命の日、というハリ紙を見て、私の仕業と信じ、私の帰館を信じたのかも知れません。あのハリ紙は平野警部がはられたものでありました。これはグチではありません。平野警部の手落ちではないのです。すべては私の大失策でありました」

巨勢博士もしばらく暗然と面をふせた。

二十六 絶体絶命の悪戦苦闘

巨勢博士は顔をあげて語りつづけた。

「さて、第二の珠緒殺しですが、これは極めてカンタンです。酔っ払いの珠緒さんは、この日は特に泥酔して、吐き苦しんだアゲク熟睡しました。元々、珠緒さんの寝室は、殺して下さいと云わぬばかりの好地点にあるのですから、きわめて仕事はカンタンで、土居画伯が忍んで行って、部屋に有り合せのアイロンのコードで殺して、電燈を消してひきあげた。なぜモルヒネの粉末をこぼしてきたか、海老塚とか諸井看護婦という一曲ある人物の存在を見て、容疑者の範囲を手広くするために、そんなイタズラを残したのかも知れません。