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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
二十 第一級の容疑者
刑事が追って行こうとすると、カングリ警部は手で制した。
すると、海老塚は、廊下のところで振りむいて、
「キサマらは天罰によって皆殺しにあうぞ。キチガイ共め! 大馬鹿ヤローめ!」
ゴリラのように手をふって、ふりむいて、去った。
「なぜ、逮捕なさらぬのですか」
と、神山がきいた。
「なぜですか」
カングリ警部は平然と答えた。
「何の証拠もありませんよ」
二十 第一級の容疑者
警部の取調べが終って、部屋へ戻ったと思うと、一馬とあやかさんが青くなってやってきた。部屋へ戻ったら、鍵をかけて出た室内に、机の上に一枚の紙片がおかれていたというのである。
それは今までの例と同じく歌川家の用箋を用いたものに、ペンで、
八月九日、宿命の日
と書かれている。
その日の夕方は秋子さんの屍体を火葬場に送るためにゴタついており、我々全員、草林寺へでむいて、解剖室から元の本堂へ半分化けそこねているような乱雑なところで、お経をうけたまわり、車につんだ秋子さんを見送って、戻ってきて、やがて食事となった。一馬とあやかさんは何かにつけて多忙であり、そのときは自室に戻る余裕がなくて、食卓につき、カングリ警部の取調べを受けてようやく自室へ引きあげてきたのであった。