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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

十四 聖処女と最後の晩餐

角が立つといったって、元々品のよいことじゃないのですから、あなた方は御自分で責任を持たない法はありませんよ。人を手先に使うなんて益々品が悪くなるばかりのことですよ。アタピンさんの御司会などが、大変面白かろうじゃありませんか」

「仰言いましたわね。品が良いとか、悪いとか、御自分は何ですか。あなたは歌川さんのオメカケとできた人じゃありませんか。おまけにそのオメカケをつれて元の主人のお宅へノコノコ遊びにくる心臓は毛が生えてるどころか、熊の毛皮でできてるようなもんじゃないの。それで自分は品がよいとでも思っているなら、警察のやることなんかは、神様の審判のようなもんじゃないの。身の程を知るがいいよ」

大変な御見幕である。

然し、犯人当てっこの投票遊戯などという慰み半分の悠長さは消しとばざるを得ないような大変なことになった。

十四 聖処女と最後の晩餐

我々がまだ食卓につかず、みんな広間に集って、飲み助組はチビリチビリとウイスキーなど嘗めているとき、海老塚医師が、背のヒョロ高い三十ぐらいの丸坊主の男をつれてはいってきた。頬骨がとびだして、蒼ざめて、栄養不良の見本のような男であった。