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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

六 第二の犯罪

たのしい報せじゃない。歌川多門はカゼをひいたところへビールをのみすぎてオナカをこわして、ちょうど私達が来た日の朝から寝ていたのである。政界からも引退して、毎日ただ、村の碁打を迎えて碁を打っており、退屈しているから、洋館の晩餐には時々出席していたそうであるが、私たちはまだその顔を見ないので、多門の病気がいっそ我々の滞在中つづいてくれればいいが、などと内々願っていたほどであった。

「下枝さんて小間使の方はとても可愛いい娘よ。十八ですって。琴路さんとうまく行ってるのかしら」

「もう止してくれ。人間どものつながりの話は、もう、たくさんだ」

私もいささか酒がすぎて疲れていた。そして、すぐ眠ってしまった。

六 第二の犯罪

翌朝、警官の一行は六時前にやってきて、すでに何かやっていた。

昨夜から深更へかけて直ちに解剖が行われた由であるが、その結果、新たな事実が現れたらしく、鑑識の一行が未明の街道を全速で馳せて到着していたのである。

王仁の遺骨を受けとりに、王仁の弟子と関係の出版会社の社長だか社員だかが、例の夜汽車で午頃、くる筈になっていた。王仁の屍体は解剖後の始末をつけて、これも午頃到着の筈で、さっそくダビにふして、今夜は遺骨でお通夜をする手筈になっている。