轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

02 ちげぐさの巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 页

青空文庫

『叔父御は、近ごろ、母上へ、あんな礼を執ったり、親しく、寄ってゆくのですか』

『ま。……おかしげな』と、泰子は、清盛の勝手な口早さを、笑った。『わたくしの問いには、答えもせで、そなたは、ひとにたずねてばかりいやる。忠正とて、以前とはちがい、よう侍いてくれまする』

『堀川の叔母もともに、いつも口をそろえて、あんなに母上の悪口を申していたのが?』

『それですから、貧乏はいやでしょう。ねえ、平太。おわかりであろ。……わたくしが近ごろ、内親王さまのお気に召して、舞のおあいてに伺うので、忠正どのも、まるで、家従のように、よくしますの。わたくしに、よく思われなければ、あのひとも、出世のために、損ですからね』

『なアんだ、そんなためにか』清盛は、牛の足もとへ、唾をした。あの叔父らしい、と思うしかない。

また、この母が、上西門院へ伺候するのも、いずれは、中御門殿あたりの口ききで、むかしの、白拍子の地を出して、御興に取り入っているものにすぎない。叔父とは、よい肌合いだ。清盛は、父ならぬ父忠盛のほうが、こうしていても、はるかに、骨肉に感じるのだった。実の母を、眼に見ているときほど、かえって、思いは、そう募った。