轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

02 ちげぐさの巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 页

青空文庫

そして、これが、女のはだを知ったということなのか――と、頭はのべつ甘い追憶にとらわれて、何か、すかっとして、燃え殻のようになった軽さを、自分の肉体に気づくのだった。

(ひょっと、女のにおいが、自分の体に、しはしまいか)

このおそれが、また、かれをしばらく、たじろがせていた。しかし、やがて築土を、跳びこえた。なぜ、こん夜に限って、こんな罪悪感にとらわれるのか。ただの夜遊びでは、何度も、越えなれている築土なのた。――跫音は、いつものように、厩の裏の畑へ降りた。

『おっ、和子様よな。……平太様かよ』

『あ。じじか』

清盛は、棒立ちのまま、わが髪の毛をつかんでしまった。

爺というのは、木工助家貞である。父に次いで、清盛がけむたいのは、この忠誠な家来であった。自分など生まれないうちから、家に仕えて、もう前歯も二、三本欠けているほどな者だし、いかに世間が、ここの主人を、無能といおうが、貧乏平氏と嘲ろうが、かれのみは、武家の家憲を守りとおし、主従の礼儀、ことば遣い、いやしくも、折り目切れ目を、くずしたことのない家人だった。

『なんと、なされましたな。この深夜までは、街の灯とて、点ってはおりますまいに』