轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
02 ちげぐさの巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,012 字 · 245 页
『あははは。どうかしておるぞ、きょうの和殿は』
渡は、哄笑した。笑い放したかたちで、また、馬囲いの方へ、眼をやった。――と、そこの柵から、こっちへ出て来る伊勢平太清盛と、遠藤武者盛遠の顔が見えた。かなたのふたりも、ここのふたりに気がついたらしい。清盛の赤ら顔が笑っている。渡は、手をあげてさし招いた。かれなら馬好きと、見たからである。
すぐ、やって来た。――清盛だけが。
やあ、ここにか、と清盛はふたりのなかに割りこんで、ともに、草の上へまろびあった。
いずれも、ある期間を、勧学院で学んだ学生仲間である。清盛からすれば、源ノ渡は、五年も上級だったし、佐藤義清も、二ツ上。ここにはいないが、遠藤盛遠が、ちょうど、その間という年ごろの集まりであった。院の武者所では、自然、これら二十歳台の思想的な結合が、同僚のよしみ以上に、次の世代を意識の奥で約していた。骨たくましく、夢大きく、ひそかに未来を、自負しあっている輩なのだ。
勧学院は、もともと藤家の子弟のための大学だったが、武家の子でも、四位以上の家がらなら、入学はゆるされた。しかし学内でも、卒業後も、貴族の公達と、地下人の息子とは、学科から待遇にまで、差別があった。