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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

「戸山君が、あんまりむちゃなことをやりだすから、こんなことになるんだよ」

「そんなことをいったって、いまさらどうにもしようがないよ。ここまでせっかく来たんだから、博士の出てきた部屋には何があるか、まずそれから探ることにしようじゃないか。そのうちには、また名案も浮かぶだろう」

五人は部屋から飛びだして、いま博士の出てきた部屋の扉の前に忍びよった。扉の引き手を廻すと、さいわいにこれにも鍵がかかっていない。きっと、まさかここまで来る人間はあるまいというので、博士もゆだんをしていたのであろう。

部屋の中には、大きな檻が一つおいてあるだけだった。そしてその檻には、大きなサルが一匹動きまわっていたのである。

日本ザルではなく、オランウータンかチンパンジーの類かと思われたが、そのサルは五人の顔を見ると、とたんに檻の中で飛びあがった。そうしてうれしそうに、涙をぽろぽろとこぼしていたのである。

「おや、へんだね。サルが泣くなんてことがあるのかしら」

「きっと、目にごみか何かが、はいったんだよ」

「しかし、博士はこの部屋で、サルを相手に、いったい何をしていたんだろう」

少年たちが、部屋の中を、きょろきょろと見まわしていた時だった。