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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
扉のかげから、いま一人の機械人間が、あわてたようにかけこんで来た。
「先生、たいへん、たいへんですよ」
「なんだ、うるさい。朝っぱらから、そんな大きな声でさわぎたてては、朝飯がまずくなってしまうじゃないか」
X号は、眉をひそめて、その機械人間を荒々しく叱りとばした。
「でも、先生、これは天下の一大事ですよ。あの五人の少年が、どこかへ姿を消しました」
「なんだと」
さすがにX号も顔色をかえて、スープの中へハムエッグスをぽたりと落とした。
「そればかりではありません。実験室の二つ向こうの部屋から実験室の中がうつるような、望遠装置がしかけてありました。きっとあいつらのしわざにちがいありません」
「ちくしょう」
X号は、ばりばりと歯ぎしりし、お盆をひっくりかえして、寝台の上へむっくと立ちあがった。
「さては、あのがきめら、わしの正体を見やぶったな。ゆうべ電気をかけていたところをのぞいて、それで恐ろしくなって逃げだしたな。さあ、こうしてはおられぬわい。さっそくつかまえて、一寸だめし五分だめし、なぶり殺してやらねば、こっちの気がおさまらないわ」
目を逆立て、口を耳までひろげて、どなり立てるX号の姿は、まるで赤鬼のようにものすごかった。