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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

この大じかけの装置こそ、谷博士が自分の一生を賭け、すべての財産をかたむけ、三十年間にわたって研究をつづけている人造生物に霊魂をあたえる装置であった。そしてその装置を使って最後に霊魂をあたえるには、三千万ボルトの高圧電気を、外からこの装置に供給してやらねばならなかった。

ところが、三千万ボルトと口ではかんたんにいえるが、ほんとに三千万ボルトの高圧電気を作ることはむずかしかった。どんな発電機も変圧器も真空管も、この高圧電気を出す力はなかった。そこで最後のたのみは、雷を利用することだった。

雷は、空中に発生する高圧電気であって、だいたい一千万ボルト程度のものが多い。しかし、時には三千万ボルトを越える高圧のものも発生すると思われる。そこで谷博士は、その偶然の大雷の高圧電気を利用する計画をたてて、この三角岳の頂上に、研究所を建てたのであった。

博士は、そのまえに、人造生物を用意した。これは、博士が研究の結果、特別につくった人造細胞をよせあつめ、それを特別な配列にしてここに生物を作りあげたものであった。その生物は、たしかに生きていた。例のガラスの箱の中においた、ガラスの皿の上にうごめいているのが、その人造生物だった。