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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
――おりから、ちょうど交替の警官が来たのをさいわい、娘をつれ、出張中の捜査本部のある竹柴村へおりていった。
知らせを聞いて、奥から氷室検事がとびだしてきた。この氷室検事は、X号を捜査する警官隊の隊長だった。
「やあ、氷室検事、私はこんななさけない姿になってしまいました。同情してください」
みじかい少女服を着た女の子が、いきなり検事にとりすがって、顔に似合わぬ男の声を出したので、検事はびっくりして顔色をかえたが、さすがに隊長の任務の重いことを思いだして、落ちつきをすこしとりもどした。
「いいよ、いいよ。ぼくは君に深い同情をしている」
でまかせなことを、氷室検事はのべた。
「えッ、同情していてくださいますか。ありがたいです。氷室検事。あなたのほかにはだれもわしを山形警部だと思ってくれないのです」
「えッ、なんだと」
検事は、目をパチクリ。
すると少女のうしろから、足柄警官がさかんに手まねでもって、「検事さん、この娘は気が変ですよ」と知らせている。
「ふーん、そうか……」
山形の方は、検事がそういったのを、自分をみとめてくれたんだと思いちがいし、泣きつかんばかりに検事にすがりつく。