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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

「わしには、さっぱりわけが分からんですが、きのうわしは研究所に近づいて塀の破れから中を監視していますと、いきなり脳天をなぐりつけられたんです。気が遠くなりました。

次に気がついてみると、わしは見たこともない部屋の中に、裸になって寝ていたのです。その部屋には器械がおそろしくたくさん並んでいました。わしはおどろいて起きあがりました。ところがそのときえらいことを発見してびっくり仰天、ぼーッとなってしまいました。なぜといって、わしのからだはいつのまにか少女のからだになっていたんですからねえ……」

と、山形警部は、今これをしんじてもらわねばとうてい救われる時は来ないものと考え、手まねもいれてくどくどと身のうえを説明したのだった。

まわりに、これを聞いていた一同は、いよいよこれは気が変な娘だわい。とほうもない奇怪味のあるでたらめをいうものだと、あきれてしまった。

氷室検事だけは、心をすこしばかり動かした。この娘はたしかに変に見える。しかし彼女が娘らしくない、がらがら声でしゃべっているのを聞いていると、どこかに山形警部らしい話しかたのひびきもある。また、この娘のいっていることがらは、ほとんど信じられないほど奇怪であるけれど、辻つまが合っている。