轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
いまの多計代にのこっているものは、その燠であり灰だとして、その燠と灰とは、様々の涙にしめらされて、何ときつい刺戟する匂いを立ちのぼらしているだろう。
「でも、よかったじゃないか。お父さんがそんなにあっさり、ぶこちゃんがモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へかえることを承知して下すって――」
「そうなの。ほんとに思いがけなかった」
「きみとお父さんとの間が、ごく自然に行っている証拠さ。なかなかそう、すらっと通じ合うものじゃない」
素子は自分の生家のこみいった父との関係を思いめぐらす風だった。
「きみのお父さんはめずらしく寛大なひとだ」
素子のその言葉は、伸子をまた新しく自分の心のうちへひきかえさせた。伸子は、素子には云っていないのだったから――泰造が、徹底するまでモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にいてみるのもよかろうと云ったことが、自分の心にどのような衝撃を与えたか、ということについては。――そのような自分を、伸子は素子の前に全部うちひらいて見せてはいないのだった。
九
佐々の親たちと和一郎との感情をもつらせた旅費の問題は、その後、どんな風にけりがついたのか。