轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
その人たちのなりは、黒っぽく、大半が壮年を越した年輩の人だった。ブルヴァールせましと歩いていたあの薄色の派手なスーツの若い連中、享楽こそモラルだというような眼つきをしてソフトを斜めにかぶって歩いていた連中は、みんなどこかへ行ってしまった。
「パリがパリの人たちのところへ還って来たのね」
「しかし、こんな風じゃ、やっぱり困るんだろうな。何て云ったってフランスは遊覧客のおとす金とアメリカが買う贅沢品で、バランスをとって来ているんだから」
リボリやブルヴァールの高級装身具店は、恐慌などに浮足たたない誇りをもって豪奢な店飾りをしている。
ブルヴァールを中心として、伸子はあの通りからこの街すじへと、思いつくままに曲ったり、つっきったりして歩いてゆく。蜂谷良作は、あきる様子もなくそれにつきあっているのだったが、
「佐々さんと歩くのは、おもしろいね」
と云った。
「出たらめみたいなくせに、こうしてみると、一種のかんで歩いている」
「――わたしが読めないからだわ。眼と足とで見るしかないからよ」
「そうばかりじゃないな。――部屋をみて歩いていたときね、あのとき僕は気がついたんだ」