轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

僕を心から可哀そうに思って、きみは、あんなにやさしくなっていたのに――僕が全く野卑だったんだ」

自分に対してきびしくあることに、蜂谷の安定が見出されているらしかった。

「わたしだって、そんなに聖なるものみたいな者じゃないわ」

伸子は、現実にあるままの自分を見失いたくないのだった。

「蜂谷さん、でもあなたどうしてあんなにおこったの? わたしが、あなたはタワーリシチじゃないと云ったとき――それは、ほんとのことだのに」

黒いソフト帽をぬいで、またかぶって、蜂谷良作は、苦しい表情をした。

「僕は嫉妬を感じたんだ。どうにもできないほど烈しく嫉妬したんだ。いつかそういうタワーリシチがあらわれたら、自信をもって伸子さんのその全部を自分のものにするんだろうと思うと……」

その全部を自分のものにする――タワーリシチでも? ぼんやりして、しかしつよい疑いの色が伸子の瞳に浮んだ。

「もう今は、ちがう。もしそういう選手があらわれたら、僕は彼を祝福することができる」

「――わたしの全部を自分のものにした、ということで?」

「それもあるだろう。けれども、それよりももっと、きみ自身のために。