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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
に対してああいう大衆の批評がおこっただろうか。この芝居の登場人物が、工場のウダールニキの善玉と、五ヵ年計画に反対する悪玉にわけられていて、善意をもっているが中間の立場にいるより多数の労働者に働きかけるモメントを見出していないという点が、きびしい不満をよびおこしているのだった。
こういう考えにゆきついたとき、伸子は新しいよろこびのある見とおしと確信から思わず椅子を立ち上った。そして三度目に、また満員だとことわられてホテルから帰って来たその日の落胆を忘れた。どんな誇張も卑下もなしに、伸子はありのままの自分をモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に止ってよい者として確認することができた。なぜなら、伸子は社会主義に向って変りつつあるのだから。ほかならぬソヴェトの社会が、より高い社会主義にすすみつつあるその日々の生活の中で伸子もそのなかみとして。――
オリガ・ペトローヴァのところで、素子と三人の間に部屋の話が出たとき、伸子は、おぼつかない言葉ながら熱心に云った。
「わたしたちは住むところを見出す権利があると信じているんです。わたしたちにはえらい人からの『書きつけ』