轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

そこに日本のふるい革命家である山上元が住んでいた。山上元がそこにいることは公然の秘密のようなもので、新聞記者である比田礼二が会ったことをきいていた。

伸子はホテル・リュックスに電話をかけた。そして、山上元と話せるかどうかをきいた。じき、山上元の声がした。

「あーあ。もし、もし」

いくらかせっかちな、元気のある年よりの声だった。

「わたしは佐々伸子ですが――」

くどくど自己紹介をしていたら、まどろっこしがられそうで、伸子は直接法に、

「お目にかかることができるでしょうか」

ときいた。

「いいよ。来なさい。いつ来るね」

「これからでもいいんです。いま、パッサージからかけているんですけれども」

「じゃあーと、二時四十分に待っていることにしよう」

伸子は、あわてたようにおっかけて、すこし声をつよく念を押した。

「わたしが上るのは、なにも特別な用じゃないけれども、かまいませんか」

「そんなことは、かまわない。――二時四十分。わかったね」

山上元は、伸子がリュックス訪問について知っていなければならない一つ二つのことについて教えて、電話をきった。

受話器をかけてから、伸子はちょっとの間その廊下の角にたたずんでいた。